非形式的な主張 根據關係は循環論法・無限後退・無根據な斷定の三つの少なくとも一つの形を取る。
有向 graphを考へる。
は頂點 (vertex) の集合、
は邊 (edge) の集合、寫像
は頂點と邊の關係である。
を「事
は事
に基附く」と讀む (「事」や「基附く」の意味は適當に解釋すればよい)。
定義 (循環論法) が可算長かもしれない閉道 (cycle)
を持つならば、
は循環論法を持つと言ふ。
定義 (無限後退) が可算長の道 (path)
を持つならば、
は無限後退を持つと言ふ。
定義 (無根據な斷定) が沈點 (sink) を持つ
ならば、
は無根據な斷定を持つと言ふ。
定理 は循環論法・無限後退・無根據な斷定のいずれかを必ず持つ。
證明 が有限な graph の場合と可算な graph の場合とに分ける。
が有限な graph の場合、可算長の道は無い。また沈點が在れば無根據な斷定を持つ。よって沈點が無い場合に閉道が在る事を示せばよい。沈點が存在しないならば、全ての頂點の出次數は 1 以上である。
の要素數を
とする。適當な頂點
を選ぶ。
の出次數は 1 以上である爲、隣接する頂點を適當に選んで歩道 (walk)
を構成できる。
以降からも同樣に歩道を構成し、
とできる。これには切りがない。歩道の長さを
迄延ばす
。この歩道には頂點が
囘表れる。
には頂點が
個しかない爲、鳩の巢原理よりこの歩道は少なくとも同じ頂點を 2 つ含む。これは閉道の存在を意味し、循環論法が存在する。
が可算な graph の場合を示す。沈點が在れば無根據な斷定を持つから、沈點が無い場合に閉道もしくは可算長の道を持つ事を示せばよい。沈點が存在しないならば、任意の要素
に對して集合
は空集合ではない。可算選擇公理により、選擇函數
が存在し、任意の頂點
から歩道を再歸的に
と定義できる。或る
,
に於いて
であれば、歩道
は閉道であり、循環論法を持つ。その樣な
が存在しない
ならば、歩道
は無限列であり、無限後退を持つ。□
意外と形式的な定式化が見當たらなかったので書き下した。かう形式化し、を調べれば、この制限の色々な逃げ方や解釋が在る事が明らかである。