C. S. Peirce の論理學を深くは調べてゐなかったところ、nLab をふらついてゐたら奇妙な論文を見附け、讀んだ。著者は、Peirce の言ふ推論の三種の形式である演繹 (deduction)・歸納 (induction)・因明 (abduction) が、圈に於ける射の合成系の操作に對應すると云ふ單純な發想を紹介してゐる。單純であるが故に關聯する業績が多いから、それらを辿って勉強になった。擴張 (extension) と持ち上げ (lift) が非對稱になる事象を調べないとこの先には進めないと思ふ。
abduction (假說形成) を「因明 (हेतुविद्या)」と譯するのは私だけだ。