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Elixir をやってきた者が Scala を暫くやってみて同じ所と違ふ所を舉げる

はてなエンジニア Advent Calendar 2019 - Qiita 12/6

12/5 はAWS コストエクスプローラー API と気軽につきあう(2019) - Qiitaであった。

今暫くは都合で Scala を書いてゐる。數年 Elixir をやってきた身だから、簡單に比較してみやう。

同じ所

函數型言語である

Elixir も Scala も、函數を組み合はせる事で program を作る言語だ。

不變 data

Lisp のやうに、函數型言語だからと言って data が不變とは限らない。しかし Elixir も Scala (var 付きの class や Java の class を使はなければ) も data は書き換へられない。どちらでも (Scala では var を使ふ) 再代入は出來る。またどちらも Haskell の樣に副作用を局所化したりはしないから、大域的な狀態には注意する。

actor model に依る parallelism

actor と呼ぶ (Elixir では單に process と呼ぶ) 互ひに獨立な process を協調させて parallel に計算を行ふ。一つの actor 內部は single thread で、異なる actor は、異なる CPU core や network で繋がった異なる計算機にて動ける。actor 間で message をやり取りし協調する。

Elixir は Erlang VM (BEAM)で動作し、VM が actor model を support する。Scala が動く JVM は直接には actor model を support しないが、Scala の言語機能に Actor が有り、また Akka と云ふ Scala で広く使はれる library で actor model を使へる。Akka は Erlang OTP を參考に作ってあって同樣の機能が有る。別 process で處理を行ふだけの簡單な用途では Elixir には Task と云ふ module が有るが、Scala にも Future, Promise と云ふ同等の仕組みが有る。

actor は狀態を持つから、data が書き換はるやうに見える事には注意する。實際のところ手元に有る data は actor 名であってこれは書き換へられない。

actor model を始めから support する最近の言語には他に Pony が在る。

既存の資產

Elixir は Erlang の module を使へ、ScalaJava の class を使へる。どちらも OTP や JRE と云ふ大きな標準 library を持つ。ErlangJava も長い歴史を持ち多くの library が公開されてゐる。

Web browser でも動作する

Elixir には ElixirScript が、Scala には Scala.js が在り、JavaScript へ transpile 出來る。また Elixir は Lumen で、ScalaScala Native にて WebAssembly にする事が出來る。

他の實裝 Erlang VM / Elixir :

他の實裝 JVM / Scala :

異なる所

型の扱ひ

最も異なるのは型であらう。Elixir は compile 時に型檢査をしないが、Dialyzer と云ふ仕組みが有って靜的型檢査が出來る。しかし Dialyzer の型 system (success typing) は表現力が低く、動作も遲い。更には曖昧な Erlang / Elixir の code に合はせきれないところがあり、無視設定を書く事に成る (型 system の表現力が低いので Dialyzer を通る程 program を複雜化させる insantive の無い場合が有る)。

Scala の型 system は表現力が高い。generics も部分型も trait も有り、Elixir の樣に struct が型 system 上では全部 map に他ならないと云ふ事も無いので、代數的 data 型も役に立つ。

型推論も常識的 (Hindley-Milner 型推論を體驗した事が有れば常識的。Scala型推論は H-M より弱いが) に行なはれるので頼りに成る。

success typing に關しては Tobias Lindahl, Konstantinos Sagonas (2006) "Practical Type Inference Based on Success Typings" を。

OOP

Scala には Java 由來の OOP が有る。これは Java の class を呼ぶのに要るし、process 間の context switch 無く heap 外に出る事も無く狀態を持てるので使ふ事が在る。最近の OTP 22 で persistent_term が來る迄 Erlang には速い狀態 store が無かったから、函數型 style で全てを引數と返り値に含ませてゐた。この顛末は DDD: Data Driven Development に在る。

VM level での parallelism

Elixir の parallelism は本質的で、parallel にせず application を作る事が出來ない。全ての application は Application と云ふ種類の actor の集まりであり、Application に Supervisor や GenServer 等と云ふ actor 群をぶら下げる事から開發は始まる。

Scala に於いて actor system の利用は optional である。Elixir では OTP に依り actor を組織化するやり方が強制されてゐるが、Scala / Akka ではさうではないから必ずしも使ひよく組織化されてゐるとは限らない。

その逆に Scala では parallelism を actor model 以外に實現する事が出來る。Java の synchronize や java.util.concurrent class を使っても好いし、ScalaSTM も在る。

VM level での分散環境

Erlang VM は複數の VM を協調させられる。Akka でも出來るが、VM level で support されてゐるといつでもその手段を取れるので少し嬉しい。Elixir で、動作中の application に REPL を繋げられるのはこの仕組のおかげだ。

fault tolerant

Elixir の actor は障礙の單位であり、VM の SEGV や VM 全體での leak 以外の障礙を actor に閉じ込められる。resource の制限も出來るし、error からの囘復も出來る。Scala の actor はさうではない。但し Akka を使へば error への對處は出來るやうに成る。

非線形な pattern match

Erlang / Elixir の pattern match は非線形で、

{x, x} = {1, 1}

が出來る。pattern 內に同じ名を複數囘登場させられる。一方で正規形を持たない data の pattern match は出來ない。これは Scala では unapply を書く事で對應出來る。

implicit

型 class は便利だ。

implicit には多くの應用が在る。例へば DI (Dependency Injection) の一部を實現する事も出來るが、これには trait や Guice 等別の方法を使ったはうが好い。

GPU, SIMD

Elixir からは GPUSIMD 等 actor model 以外の parallelism を扱へない (C で書いて C node として繋ぐ、別の application として Elixir 以外で書いて RPC する等は出來る)。VM level で actor model が強制されてゐるから難しく、努力は成されてゐるものの未だ實現してゐない。Scala にはこの障礙は無い。

12/7 は id:hokkai7go だ。

Notion.so は何に成るのか、何に成らないのか

ももんが Advent Calendar 2019 - Adventar 12/5

Notion と云ふ service が在ってこれが何であるかは使っていただければよいので解説しないが、少し便利に使ってゐる。この service は使ひ方により色々と見た目が變はるもので、私も幾つかの用途に使ってゐるからそれを紹介しやうと思ふ。

Notion – The all-in-one workspace for your notes, tasks, wikis, and databases.

notion – the all-in-one workspace for your notes, tasks, wikis, and databases.

Notion 自體に就いては Npedia と云ふ Web site が在るからこれを見ても好いと思ふ。この site 自體も Notion 上に作られてある。

cf. Npedia -Notion 情報局-

Evernote に成る

最高のメモアプリ - Evernote で大切なノートを整理

Notion とは compenent base の document DB であって、各 document (page) は行や埋め込み文書等の部品 (block) で構成される。その document 達は階層に整理され、tag が附き、互いに link 出來る。また document 群は view を持ち、view の撰び方に依って多くの見た目・使ひ途を獲得する。Notion とはさう云ふ迚も抽象的な service であるから難しい。難しいから公式に多くの template が用意され、使ひ途が示されてゐる。利用者は他 service からの import に依って、或いは template を眺める事から始める。

私は Evernote からの乘り換へを檢討して Notion に決めた。Evernote から import 出來る機能が有るので簡單に試せる。

私は Evernote を Web clipper / 內容附き bookmark としてよりも、氣になる論文の PDF を集める爲に使ってゐた。PDF 內の檢索には餘り頼らぬやう abstract を抽出したり comment を書いたりしてゐたから、Notion はこの用途に適した。電子書籍の書棚にもしてゐるので Mendeley は使ってゐない。

Mendeley - Reference Management Software & Researcher Network

更に複數人で共有する note を持ってゐて、これの使ひ勝手が Evernote では氣に入らなかった爲、Notion に乘り換へた。Notion は複數人で使ふのに適してゐる。同時に自分だけの場所も持てる。

Notion は web clipper の機能も持ってゐる。この用途でも勿論使ってゐる。

Pocket に成る

Pocket

「後で讀む」のやうな內容附き bookmark には Pocket を使ってゐた。Pocket は便利でどこからでも clip 出來どこででも讀める。これは Notion でも出來る。Web browser の擴張或いは Android の共有から clip 出來る。讀む事は Web browser でも (Vivaldi の side bar に入れると便利) Desktop application でも Android application でも出來る (iOS の事は知らないだけであって出來る筈だ)。

私にとって Pocket の缺點は、場所が一つしか無い事だった。これは Notion で解決される。Web page を clip する時にどの page の子として clip を置くか撰べる。同時には見たくない clip の集まりをこれで分ける。

Scrapbox には成らない

Scrapbox - チームのための新しい共有ノート

ここまで何にでも成る tool であると、一見成りさうであるのに實際には何に成らないのかと云ふ事が大切である。無論「私の使ひ方では」成らないのであって、この使ひ方をしてゐる人々はゐる訣だ。なので「成らない」のではなく「成る」のであって、「(私は) しない」が正しいかもしれない。

Notion は Wiki にも memo 帳にも成るがこれには Scrapbox を撰んだ。Scrapbox も割と何にでも成るので大いに使ってゐる。Notion に比べて Scrapbox は、

  • どこででも簡單に書ける
  • 簡單に link を書ける
  • 自動で相互 link が貼られ、辿れる
  • 邪魔が無い。この差は大きい

逆に悪い所は、

  • PDF を扱ひづらい。上げた重い PDF を page 上で讀め、PDF を private に出來 (Gyazo Pro で出來さう)、中身も檢索出來れば (これは Notion も出來ない) 言ふ事は無いのだが
  • Web clip の bookmarklet は多くの Web site で動かないし、スマートフォンの Web browser では使へない

privacy にも不安が有るかもしてないが、これは不安なだけで實體が無い。

Trello には成らない

Trello

Notion は task board の view を持ってゐて、task や project を管理出來る。project や不定形の task は Scrapbox で管理してゐるが、定型の task は Trello でやってゐる。Trello は Slack や IFTTT 等他の service との連携が便利であるし、それを捨てて乘り換へる程 Notion に魅力を感じないだけだ。頑張って乘り換へても好いとは思ふ。

blog には成らない

blog はこの通りはてなブログで書いてゐる。

Notion は page を公開出來て普通の Web site のやうに閲覧出來るし、一覧も出せるから全く blog の用を成す。ただはてなキーワード (はてなブログ タグに生まれ換はりましたね) に頼ってきた身として乘り換へる理由は無いと云ふだけだ。JavaScript の埋め込みも Notion は多分出來ないと思ふ。

WordPressCMS には成らない

blog にも成るし、一般の Web site の代はりにも成る。private にして team 內の Wiki にも出來る。これは CMS だ。

しかし私は Web site では文書だけでなく色々動かして遊びたいし、blog はこの通りはてなブログが有り、Wiki には Scrapbox をつかってゐるからこの用途には使はない。

DB には成らない

API が (一應は) 無いので。高機能 / 高性能な DB を使へる身としては魅力が無い。server を立てなくてもよいから便利かもしれないとは思ってゐる。

2 * 2 = 4 の原形としての Cynefin framework

ももんが Advent Calendar 2019 - Adventar 12/3

Cynefin framework はカタカナで「クネビンフレームワーク」と書かれる。現象の狀態を四つに分類し對策を探し易くするやり方である。現象が單純 (Obvious) と複雜とに分類されるとすれば、複雜は更に三つに分類出來る。Chaotic, Complex, Complicated である。單純であれば對策は明らかである。Chaotic であれば今何か分らない事が有るのか否かも分らない。手の出しやうも無いので獨斷で Complex と見做す事が求められる。Complex であれば何かが分らない事は分ってゐるが、それが何か、何が分らないのかは分らない。Complicated であれば何が分らないかは分ってゐる。分らない事を解明するだけである。この時多くの場合は既に前例が有り對策が有るからそれを探せば好い。

\begin{array}{c} Obvious & Complicated \\ Complex & Chaotic \end{array}

この順は標準的ではないが、この順にした理由は後で述べる。

人が 4 の內で考へるとどう成るか。

4 : 調和、均衡

4 は調和、均衡である。4 は 1 + 1 + 1 + 1、或いは 2 * 2 である。2 * 2 は 2 軸から成り、先に來る軸と後に來る軸とを定められる。軸 1 を A / B とし、軸 2 を + / - とする。この時 4 は四角形ではなく H 字の形を持つ。先づ A / B が分かれ、次に A が A+ / A- に、B が B+ / B- に分かれる。例へば神性と被造物が分かれ、神性は神と三位の位格とに、被造物は普遍と個物とに分かれる。軸は先後を取り替へられ、取り替へると H 字は四角形に成る。取り替への均衡が調和であり、超越である。

3→4 : 剩餘

3 から 4 への移行は剩餘である。欲望 3 の剰餘は欲望の眞理でもある。不完全な超越論性の 3 から避けられず完成する超越が 4 だ。

4→3 : 二重性

4 から 3 への移行は二重性である。二軸 A/B と +/- が有り、A/B の A 側に注目した時に B+/B- の違ひを無視して A+/A-/B の 3 を作れる。

原理の個數 : 1, 2, 3, 4, 5

今目についた 4 の考へを竝べてみる。

  • 言述
    • \begin{array}{c} 動因 & 目的 \\ 眞理 & 產物 \end{array}
  • 四原因 : 作用因、目的因、質料因、形相因
  • 四方界 : 大地、天空、神々、死すべきもの
  • 四方對象 : 感覺的對象、感覺的性質、實在的對象、實在的性質
    • 感覺的/實在的、對象/性質
  • 四元素 : 風、火、土、水
    • 熱/冷、濕/乾
    • 風 (熱濕)、火 (熱乾)、土 (冷乾)、水 (冷濕)
  • 四方位 : 東西南北
    • 五行 : 東 (木)、南 (火)、西 (金)、北 (水)
    • 四元素 : 東 (火)、南 (地)、西 (風)、北 (水)

四方位は 1 + 1 + 1 + 1 の例だ。1 + 1 + 1 + 1 は、1 + 1 + 1 + 1 + 1 + …と 5 に成り 12 に成り囘轉を始める。勿論他の 4 に對應させて 4 の侭にも出來る。

他の例は 2 * 2 である。言述の 4 は剰餘を產み出して 4 に成ったばかりの 3 である。四方對象と四元素は二軸であり、四原因と四方界は均衡した四角形である。

2 * 2 = 4 と云ふ形にだけ着目して形式化する。二つの軸を取る。主語と述語としやう。軸の両端には有と無を置く。論理學の傳統に従ひ P(x)と書くと xが主語で Pが述語とする。すると 有(有)、無(有)、無(無)、無(有) の 4 が作れる。それぞれ有るものが有る、有るものが無い、無いものが無い、有るものが無いと成る。それをこう竝べる。

\begin{array}{c} 有(有) & 無(有) \\ 有(無) & 無(無) \end{array}

Cynefin framework と言述と有無とを同じ順に竝べてみた。改めて對應させれば、

  • Complex : 有(無)
  • Obvious : 有(有)
  • Complicated : 無(有)
  • Chaotic : 無(無)

述(主) には二つの讀み方が有る。 P(x \in X) P(x)とも P(X)とも讀める。これは範疇を間違へてゐるのだが實際にはこの範疇の取り違へが古く成立してきた。だから物理に對する數理の發展の歴史が物理に限らずここでも繰り返すとすれば、この範疇の間違へを正當化する論理が要ると思ふ。私はその論理の現代的な姿を知らない。

  • 有(無) : 無いものが有る、即ち產み出される。或いは無が有る
    • 顯はれとしては豊饒な生產、始まり、法の產出
    • 密かには有で滿たされた世界のどこかに無が有る。世界のどこを探しても有しか見附からない、しかしどこかに無が有る。法の缺陷
  • 有(有) : 有るものが有る、即ち維持される。或いは有が有る
    • 顯はれとしては秩序、藏せられた智慧、豊かな法
    • 密かには有の外には無が有る (外は外なので內からは見えない)。広大無邊な無の中に浮かんで有が有る。法の無根拠性
  • 無(有) : 有るものが無い、即ち失はれる、破壊される。或いは有が無い
    • 顯はれとしては破壊、終焉。法の破壊
    • 密かにはこの世界は全て無である。無が有を根據附ける。法の制定
  • 無(無) : 無いものが無い、即ち無。或いは無が無くなり有に轉じる
    • 顯はれとしては絕對の無。空が法である
    • 密かには絕對の無が無くなり全ての有に成る。生產無き創造。法の存在

有(無)、有(有)、無(有) とで創造、維持、破壊の三相の女神を成す事が解る。無(無) は超越であり邪魔である (多分、眞理の餘剩説が關係、或いは捻れた配置で關係すると思ふ)。また 4 = 3 + 1 = 1 + 1 + 1 + 1 である事を思へば、この 5 つの 1 はどれもが 1 であり得る。

原理の個數 : 1, 2, 3, 4, 5

ももんが Advent Calendar 2019 - Adventar 12/1

人類が短くも長い歴史で行って來た考へは豊富で蒐輯は終る氣配を見せない。しかし典型的な型を幾つか (實は「幾つも」なのだらう) 切り出す事が出來る。一つに、原理の個數に依る型が在る。原理の個數が 2 であれば陰陽に、5 であれば五行に成ると云ふ風である。無論原理の個數自體を考へに生かせなければこの型は表れない。例へば數學は公理の個數が有限個で複數ならば、その個數が 3 であるか 4 であるかは 1 多いか 1 少ないかでしかない。更には個數を取り違へる事に依って別の數字を呼び、非典型的な型を作れる。

1 : 純粹、袋小路、炎

1 は純粹、袋小路、炎である。1 は純粹へ向ふ數字であり殖える事を許さない。増殖を燒く、凌駕する炎である。1 の敵は單に存在する事が出來ない。1 は始まり或いは終はりである。1 は靜寂に於いて袋小路に成るが、燃え盛る炎の隠れた増殖に依り袋小路を脱する。

典型的には汎神論やイスラームである。

2 : 對立、協力、單調

2 は對立、協力、單調である。2 は對立の數字であり、對立するものの協力をも表す。2 は世界の困難をその區別と對立に歸着する單調な考へを行ふ。2 の思考は人類の初めから最も多い。

典型的には心身問題や易である。

1→2 : 對立、進行

數字は他の數字と關係する。移行し組み合さる。そこにも型が在る。ここでは 1 異なる數字への移行の型を舉げる。

1 から 2 への移行は對立、進行である。2 は 1 に無い差異を產み出す。また第一から第ニへの進行である。2 に依って 1 は唯一ではなく第一に成る。易は 1 から 2 ^ 4 = 64 を產む。

2→1 : 統合、倒錯

2 から 1 への移行は統合、倒錯である。どんな對立でも對立の解消は不可能だが、2→1 は不可能な純粹さを達成 (= 空想) 可能と見做す倒錯である。或いは對立を保存し、對立した侭の統合を示す。この統合は次の 3 に關係する。

3 : 不安定、調停

3 は不安定、調停である。3 を A, B, C とし、三角形を作る。すると順序を無視した組み合はせ {A, B}, {B, C}, {C, A} の個數も 3 であり、これは三角形の邊である。A からは {B, C} が見え、B からは {C, A} が、C からは {A, B} が見える。こうして 3 は 3 に轉化する。

典型的にはキリスト教の三位一體である。また創造 (母)、維持 (老婆)、破壊 (娘) である三相の女神も典型的である。

2→3 : 調停、欲望

2 から 3 への移行は調停、欲望である。3 は 2 の對立を媒介し調停する。また對立物を無と見做し、無を欲望の對象とする事で欲望を可能にする。欲望を媒介し產む第三項はそれ自身が無である。

3→2 : 排除、充足

3 から 2 への移行は排除、充足である。2 は媒介を排除し、相補性に充足する。

4 : 調和、均衡

4 は調和、均衡である。4 は 1 + 1 + 1 + 1、或いは 2 * 2 である。2 * 2 は 2 軸から成り、先に來る軸と後に來る軸とを定められる。軸 1 を A / B とし、軸 2 を + / - とする。この時 4 は四角形ではなく H 字の形を持つ。先づ A / B が分かれ、次に A が A+ / A- に、B が B+ / B- に分かれる。例へば神性と被造物が分かれ、神性は神と三位の位格とに、被造物は普遍と個物とに分かれる。軸は先後を取り替へられ、取り替へると H 字は四角形に成る。取り替への均衡が調和であり、超越である。

典型的には四原因や四方位である。

3→4 : 剩餘

3 から 4 への移行は剩餘である。欲望 3 の剰餘は欲望の眞理でもある。不完全な超越論性の 3 から避けられず完成する超越が 4 だ。

4→3 : 二重性

4 から 3 への移行は二重性である。二軸 A/B と +/- が有り、A/B の A 側に注目した時に B+/B- の違ひを無視して A+/A-/B の 3 を作れる。

5 : 囘轉

5 は囘轉である。5 は靜止しない。五角形を星型に移す相生と相克に見るやうに、5 は 2 を產む。

典型的には五行である。

4→5 : 囘轉

4 から 5 への移行は囘轉である。靜止した 4 に 1 を加えるを囘轉が始まる。

5→4 : 停止

5 から 4 への移行は停止である。4 は二軸の動きが有るが囘轉出來ない。

5 以上も在るが追究出來てゐない。

兩河世界の基礎知識とその研究への誘ひ

これは皆さんを 兩河世界 の研究へ誘ひ、その基礎知識を與へるものです。

兩河世界とは

(meta 的には) 架空世界です。架空なので我々は創作者なのですが、「架空ではない」と云ふ設定に成ってゐます。時は未來の宇宙時代です。惑星間移動や恆星間移動は確立してゐます。我々は研究者であり、兩河世界の博物學者のやうな立場です。今我々の group は二人です。他の研究 group も澤山いらっしゃるかもしれませんね (設定から導けば、ゐるに決まってゐるのですが)。

また以下で「meta 的」な記述とは、兩河世界の研究者としてではなく、創作者として記述する事を指します。

今最も活潑な公開の場所は yUraru です。

火星帝國

下記は現狀での知見であり、研究が深まれば當然訂正されるでせう。

我々地球の在る天の川銀河アンドロメダ銀河とを合はせて「兩河」と呼んでゐます。研究すべき主要な活動對象は三つ在り、火星帝國・yUraru 帝國・ガルデアです。

火星帝國

火星帝國は火星に本據を置く帝國で、元々は日本帝國 (meta 的には、日本も帝國と成ったと云ふ設定なのです) の殖民地として發展しました。他の國々との外交を圓滑ならしむる爲に日本から獨立し、主權國家と成ってゐます。後に日本が地球上での敗戰から吸收され解體された時も、火星帝國は獨立を保ちました。

火星帝國は木星圈の開拓を積極的に行った事も在り、木星圈に衞星國家を持ち同盟を形成してゐます。土星圈は地球のユーラシア大陸東部を本據に持つ國家に奪はれてゐます。

火星帝國の文化的特徴としては、一つに自然科學を崇拜すると云ふもの、もう一つに日本の傳統 (この傳統の主なものは江戸・明治以降に成立したものですが…) に就いて復古的であると云ふものです。言葉は日本語です。暦は日本の太陰太陽曆を參考に、火星の運行に作り上げた帝國火星曆を運用し、帝國火星暦で計算出來、解説もここに在ります (一部の祝祭日の決定に日本の太陰太陽曆も併用してゐます)。

火星帝國は地球には餘り影響力を持ててゐませんでした。轉機と成ったのが天王星圈の探査です。後述するガルデアは以前より天王星の衞星に星門と觀測基地を置き太陽系を觀察してゐました。火星帝國の探査隊がこれを發見したのです。ここにガルデアと太陽系人類との交流が始まりました。火星帝國は太陽系人類を代表する窗口に指定され、ガルデアから樣々な技術供与が行なはれました。テラフォーミングの技術もこの時得たものです。火星は今でこそ人類に過ごし易い惑星ですが、これ以前は各地に基地を築きその中だけで暮らしてゐたのです。火星帝國はガルデアの力を背景に、太陽系の中で特別な影響力を持つに至りました。この立場は今の yUraru との外交にも續いてゐます。

yUraru

yUraru 帝國とも呼びますが、「帝國」は日本語譯の便利の爲に附ける事も在る語であって、普通は單に yUraru (ユーラル) と呼びます。語源は yUru (太陽) + Aru (下) です。本據はアンドロメダ銀河に在る Agaruneyu (アーガルネユ; Aga (我ら) + ru (の) + nEyu (惑星)) と云ふ惑星に在ります。

太陽系人類との關はりは、ガルデアを通して始まりました。恆星間の移動や通信の技術は、太陽系人類も Agaruneyu の人類もガルデアの遺構 (後述) から得たのです。因みに yUraru の言葉で地球は cIkyu (チーキュ) と呼びます。火星帝國が日本語を使ってゐる爲です。

Agaruneyu は地球ではありませんから、當然地球とは異なります。例へば Agaruneyu には大きな衞星 (これらを我々は便宜的に「月」と呼んでゐます) が三つ有ります。この事は Agaruneyu の古代文化に大きな影響を與へました。

Agaruneyu 人類の見た目は太陽系人類と好く似てゐます。勿論生物種としては全く異なる種ですが、このことは Agaruneyu の生物進化が地球の生物進化と非常に似てゐる事を示します。生物相に於いては、龍類 (勿論地球の恐竜類と似た別の生物類です。以下 同じ) は絕滅してはゐませんがかなり衰退してゐます。哺乳類は餘り大型化してゐず、人類が最も大型である程です。その代はり鳥類が適應放散し繁榮してゐます。人類は、哺乳類が比較的繁榮した小さい孤立した大陸で進化・成立し、大陸の移動に依り他の大きな大陸と陸續きに成った後に放散しました。

yUraru は古くは kAtoriruixis (カトリルイシス共和國) と言ひ、古代から地中海狀の地域で支配的な權威を持って來ました。地政學的には地球のローマを想像すると好いでせう (文化・歴史的には全く異なる事を注意してください)。古代の後も、一時は衰退し遂に實體を失ふ程に成る時期も在りましたが、復興し、宇宙時代には Agaruneyu 全域で支配的な權威を持つに至りました。

言葉は yUraru 語が話し書かれてゐます。我々は百科事典的な yUraru 語の辭書を編纂する努力を續けてゐます。ここで神話や歴史物語の飜譯も進めてをります。yUraru の神話は、yUraru 自體の成立ちに依ってその原形が三重に成ってゐ、その構造が保存されてゐるのは興味深く思ひます。歴史物語は、とっつき易さも考慮して大衆的な小説 (yUraru 語には「小説 / novel」と云ふ便利な大區分は有りませんが…) を飜譯してあります。

ガルデア

ガルデアはアンドロメダ銀河に起源を持つ統合體です。殆どの成員はガルデア語を話し書きます。

ガルデアを meta 的にではなく解説するのは面倒であるので、以下 meta 的な記述が多い事を御許しください。

ガルデアの目的は、人類の永續と精神の多樣性の護持です。但しこの「人類」とは統合された人類を指します。ガルデアは大きく三つの要素から成り、中心である大姉、成員である人類、勞働力である機族です (勞働力は機族が擔ひますが、勞働する人類もゐます (精神の多樣性))。ガルデアは計算と通信に依り統合されてゐます。大姉は、成員たる人類に關はる (實用的には) ほぼ全てを豫測する計算資源を持ちます。そして腦に直接介入して思考・意志に影響を與へ、結果的に統合體の目的を達成します。この過程で人類の自由意志は損はれません。これを我々は「ガルデアのトリレンマ」と呼んでゐます。

  • 人類はどの樣な影響を與へられてゐるか、何が豫測されてゐるかを基本的に知らされない。
  • 機族はそれらを知った上で、自由意志とは關はり無く統合體への勞働力提供を撰擇する樣に影響を與へられる。

ガルデアは、ガルデアの統合とは違ふ原理を持つ他の「統合」された統合體を全て滅ぼし、兩河世界で超越的な自然科學技術力を持つに至りました。

ガルデアは過去に兩銀河に広く進出し活動した時期が有りました。この時に多くの庶人類 (諸人類なのですが、ガルデアの視點からは、統合に値しない庶人類に過ぎません) は銀河規模の文明に屬する事と成りました。進出した理由は單にガルデア內部のトラブルに依るもので、庶人類にとっては好い迷惑であったとも言へるのですが、ガルデアが庶人類に餘り興味を持たなかった爲に、庶人類がそれぞれの恆星系に留まってゐる限り干渉しない統治を行ひました。庶人類はガルデアの恩惠で大いに發展する事と成りましたが、ガルデアから見るとこれも無に等しい發展であったやうです。

長い統治の後、ガルデア內部の別のトラブルに依り縮退し、今は進出以前の活動域に閉じ籠ってゐます (元に戻っただけ、と云ふ事ですね…)。この時に yUraru が兩銀河に主導權を握り、今に至ります。今の我々の恆星間移動技術は、ガルデアが統治時代に開いた星門を維持・利用してゐるのです。

meta 的には、この後再びガルデアが兩銀河に進出し、そこで庶人類の「歴史」は終はる事と成ります。