縦書きWebデザインアワードに縱ラテン | c4seを応募した。本日締め切りで、締め切り迄に応募でき、當初の目的は達成した。フォントは橘榛名が作成し、文章はわたしが書いた。以下に秘密でもないだらうから、応募時の文章を載せる。
作品要約
英語アルファベットを含めたラテン文字を縦書きする手法を開発しています。その一環として日本語の縦書きの中で、あるいは独立してアルファベットを縦書きできる文字「縦ラテン Vertical Latin」を開発しました。またそれをDTPやWebサイトで自由に使えるよう、フォントを配布しています。アピールポイント
今回わたしたちが紹介いたしますものは、文字です。明治以後、科学産業と政治上の必要から日本語は横書きする技法と文化を大いに発達させました。その必要はコンピューター産業の発達からますます大きくなり、縦書き文化の進展は大きく枷を嵌められています。また横書きも歴史的な基準がつくられていないために、ヨーロッパ文化からの独自な発展に大きく制限があります。横書きのよい基準・原理をつくるか、縦書きの不便さを減らし無くすかすることで、デザインの自由度は大きく上がるでしょう。今回わたしたちはラテン文字に縦書きのための新しい基準・原理を導入し、文字体系「縱ラテン」を開発しました。縦ラテンを使えば英語アルファベットを含めたラテン文字を、素早く美しく縦書きできます。また縦ラテンを実際に使用したWebサイトと文字体系の紹介、加えてWebサイト上で簡単に使えるようフォントと使用法の解説を作成しました。わたしたちはこれにより、質的に無理のない日本語横書き/縦書きのデザインの一助となり、更なる試行錯誤の一端となることを望みます。
もともと縱ラテンを広める氣は毛頭無い。広まる根拠も契機も無いからだ。広まったはうが好い理由も無い。ただ日本語の記述体系の曖昧さに苛立ちを感じ、書記の歴史に逃げ道を求めた思考が創りだしてしまったものを、珍奇なサンプルであらうと陳列したまでだ。縦ラテンが万が一広まるとしたら、わたしが意図した内的な動機とはまったく関係ないところから來るにちがひない。そしてわたしはそれに協力する能力をもたない。まったくおまかせする次第だ。