20120611
1
或る体系的な仕組みは、複雑な系列と単純な系列をモザイクのようにあわせもっているが、此の体系をもっとこまかくみてゆくと、大域的に複雑なことは局所的には迚も簡単にできていることを知るし、大域的に単純なことは局所的には大変にむつかしいことに支えられているのを知る。全ての体系がこのように辿れるのかは知らないし、本当にみえているのはまたただのモザイクなのかもしれぬが、おそらく観念の動きとしては、此所で法則がかわるのだ。局所と大域を移ってゆくにしたがって、観念は単純さと複雑さの境い目にさえぎられ、其所のところで体系を理解する法則が切り替わるはずである。
2
体系の成す数学的な性質を観察すれば、人間も動物も無機物であってもかわりない。統計へみちびかれてしまっては、社会のなかでは個人であったりする、個物を捉えることはできないが、階梯を無視した論理的な性質を鋭敏につかまえることができる。