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甲田学人「夜魔 -奇-」「夜魔 -怪-」昨日読了。神話と文学の異和 #book

二冊


夜魔: 甲田 学人を分けて再録し、各一話づつ書き下ろしたもの。
異界、違和感に興味の有る人なら、うってつけではないだろうか。魔術思考が強いので、其の方に興味の有る方も合うだろう。自分は両方である。甲田学人の物語はMissingが出た頃から愛読している。
自分は此のシリーズから多くの事を学んだ。勿論著者の本に其れらが書いて有る訳ではなく、触発として自らの思考を辿ったと云う事で、恐らく他の本を読んでいても同じ様な事を考えただろう。だが偶然にも此れだったのは、思い出である。其れに〈魔術〉の世界を此所迄上手く「物語り」として書ける者を、私は甲田学人以外に知らない。


だが問題は其所ではないのだ。魔術を物語りとしてではなく、上手く知る者なら他にも多く居た。マイノリティーではあれ、幾らでもと言って好いくらいである。だがレヴィ=ストロースが行う迄、〈神話〉の思考を綿密に辿れる者は、少なくとも文字を記す者にはユングも含め一人も居なかった。恐らく古代以降の、文学の思考を持った人間たち(潜在的にしか文字を記さなかった者も含めて)には、一人も居なかったのではないか。西欧ならローマは明確に手遅れで、日本でも古事記は手遅れに成りかけである。
魔術と神話の世界は非常に近いと考えられている。なのに此れは何故か?
甲田学人も神話の思考追えていない。恐らく魔術の思考は文学の想像力に合うが、神話の世界は文学ではないのだ。勿論科学でもない。では何か? 厳密には此れは解かれた事の無い問題である。


然し其れにつけても、甲田学人の此の想像力は美しいのである。其れが13巻のシリーズではなく、短く味わえる此の2冊は、繰り返すが、正にうってつけなのだ。


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